ホテル情シスの仕事というと、
「パソコンのトラブルを直す」
「Wi-Fiの問い合わせに対応する」
「システムを管理する」
というイメージがあるかもしれません。
もちろん、それもホテル情シスの大切な仕事です。
しかし、ホテルのITを支える仕事には、営業時間中にはできない作業もたくさんあります。
その代表的なものが「夜間作業」です。
今回は、ホテル情シスの現場で行われる夜間作業について、実際の業務をイメージしながら紹介します。
久しぶりの観光地への出張
久しぶりに観光地への出張。
普段とは違う場所に行けるので、
「せっかくの出張だから、少し観光できるかな」
と思うこともあります。
ところが、ホテル情シスの場合はそう簡単にはいきません。
今回の出張も、
夜間作業です。
日中は通常業務を行い、ホテルの営業に影響が出にくい時間帯になってから作業を開始します。
ホテルは24時間動いています。
そのため、システムやネットワーク機器を停止する作業は、どうしても深夜になることがあります。
ホテル情シスの夜間作業にはどんなものがある?
ホテルによって設備やシステム構成は異なりますが、夜間にはさまざまな作業があります。
今回のような出張では、例えば次のような作業があります。
- UPSの交換
- Wi-Fiの設定変更
- 業務用PCの交換
- ネットワーク機器の確認
- ITインフラの確認
- 新人情シススタッフへの説明
- 作業後の動作確認
一つだけなら、それほど大変ではないように感じるかもしれません。
しかし、実際には作業そのものよりも、作業前後の調整や確認に時間がかかることがあります。
UPSの交換作業
今回の夜間作業の一つが、UPSの交換です。
UPSは、無停電電源装置のことです。
簡単にいうと、停電などの電源トラブルが発生した際に、接続されている機器を守るための電源設備です。
ホテルのIT環境では、重要なネットワーク機器などの電源をUPSから取っている場合があります。
そのため、UPSを交換するときには注意が必要です。
なぜUPS交換が深夜になるのか?
UPSを交換するためには、接続されている機器の電源を停止する必要がある場合があります。
ネットワーク機器の電源を切るということは、そのネットワーク機器を利用しているシステムやサービスにも影響する可能性があります。
ホテルでは、
- 従業員が業務で利用するネットワーク
- 客室や館内のWi-Fi
- 各種業務システム
など、多くのIT環境が動いています。
そのため、作業時間は慎重に決める必要があります。
「一番利用が少ない時間」を狙う
ホテルは24時間営業です。
昼間はもちろん、夜間も宿泊しているゲストがいます。
それでも、ネットワーク機器などを停止しなければならない場合は、ゲストや従業員の利用頻度が最も低い時間帯を選びます。
そのため、作業が深夜になることがあります。
ホテル情シスにとっては、
「止めないこと」だけではなく、「どうしても止める場合は影響を最小限にする」
という考え方が重要です。
ゲストへのメンテナンス案内も必要
ネットワークなどを停止する場合、IT担当者だけで話をして終わり、というわけにはいきません。
ホテルの場合は、ゲストへの影響も考える必要があります。
例えば、Wi-Fiなどに影響するメンテナンスであれば、事前にゲストへ案内してもらうことがあります。
ここはホテル情シスだけでは対応できません。
現地のホテルスタッフに協力してもらいます。
「いつから」
「どのくらいの時間」
「何が利用できなくなる可能性があるのか」
などを整理し、ホテル側に案内を依頼します。
作業当日にも現地ホテルと調整
夜間作業は、作業日が決まったら終わりではありません。
作業当日も、現地ホテルの責任者と作業時間を確認します。
ホテルの状況によっては、
「もう少し待ったほうがよい」
「この時間なら作業できる」
など、現場の判断が必要になる場合もあります。
ホテルは通常のオフィスとは違い、宿泊状況や営業状況があります。
そのため、IT側の都合だけで作業時間を決めることはできません。
Wi-Fiの設定変更も夜間になることがある
Wi-Fiの設定変更も、内容によっては夜間に実施します。
設定変更そのものは、数分で終わることもあります。
しかし、
設定変更=作業終了
ではありません。
変更後に、
- Wi-Fiに接続できるか
- 認証できるか
- インターネットへ接続できるか
- 必要な通信ができるか
などを確認します。
ホテルのWi-Fiはゲストが利用するサービスの一つです。
「設定を変更しました」で終わらせず、実際に利用できるところまで確認することが重要です。
業務用PCの交換も夜間に
業務用PCの交換も、場合によっては夜間に行います。
ホテルでは、フロントなどの業務が止まってしまうと営業に影響します。
そのため、業務で使用しているPCを交換する場合、
- 旧PCの確認
- 新PCの設置
- 各種設定
- ネットワーク接続
- 必要なソフトウェアの確認
- 周辺機器の確認
- 業務システムの動作確認
などを行います。
ここでも重要なのが、交換後の動作確認です。
「交換したから終わり」ではない
ホテル情シスの作業では、
交換する
↓
設定する
↓
動作確認する
という流れが基本になります。
例えばPCを交換した場合でも、
「電源が入った」
だけでは十分ではありません。
実際の業務で必要なシステムが使えるか、ネットワークに接続できるかなどを確認します。
新人情シススタッフへのITインフラ説明
今回の出張では、作業だけではありません。
新人の情シススタッフに、現地のITインフラについて説明することも重要な仕事です。
例えば、
- ネットワーク機器
- Wi-Fi
- サーバー
- 各種システム
- 配線
- 機器の設置場所
- 障害時の確認ポイント
などを、実際の設備を見ながら説明します。
これは、単なる研修とは少し違います。
「実際にこのホテルで何か起きたとき、どう確認するのか」
という現場目線で説明することが重要です。
ホテル情シスは「作業」より「調整」が大変なことも
夜間作業というと、
「夜中に機械を交換しているだけ」
と思われるかもしれません。
しかし、実際にはその前後に多くの仕事があります。
作業前
- 作業内容の確認
- 作業時間の調整
- 現地ホテル責任者との打ち合わせ
- ゲストへの案内
- 必要な機器の準備
- 作業手順の確認
作業中
- 機器交換
- 設定変更
- ネットワーク確認
- 各種設定
- 必要に応じたベンダーとの連携
作業後
- 動作確認
- 各システムの確認
- 現地スタッフへの確認
- 問題がないことを確認
- 作業結果の記録
この一連の流れがあって、ようやく作業完了です。
なぜ夜間まで働くのか?
ホテルのIT環境には、
「止められない」
という大きな特徴があります。
一般企業のオフィスであれば、
「今日はここまでにして、明日作業しましょう」
という判断ができる場合があります。
しかしホテルでは、夜間も営業しています。
ゲストが滞在しています。
フロントも動いています。
レストランやその他の施設が営業していることもあります。
だからこそ、
営業への影響が少ない時間に作業する
という選択になります。
結果として、ホテル情シスの仕事には夜間作業が発生します。
久しぶりの観光地でも観光できない
今回のような出張では、
「久しぶりにこの観光地に来たな」
と思っても、夜間作業があります。
日中は作業準備や通常業務。
夜はホテルで作業。
作業が終わるころには、もう深夜。
そして翌日は通常業務。
ホテル情シスの出張では、こんなことも珍しくありません。
観光地に出張しても、観光する時間がない。
それでも、ホテルのIT環境を安定させるためには必要な仕事です。
ホテル情シスの夜間作業で大切なこと
夜間作業では、特に次の3つが重要だと感じます。
① 事前調整
作業時間や影響範囲を、現地ホテルと事前に確認します。
② 影響を最小限にする
できるだけゲストや従業員への影響が少ない時間帯を選びます。
③ 作業後の確認
設定変更や機器交換をしたら、必ず動作確認を行います。
「作業が終わった」=「仕事が終わった」ではありません。
実際にホテルの業務が正常に戻ったことを確認して、ようやく完了です。
まとめ
ホテル情シスの夜間作業には、
- UPS交換
- Wi-Fi設定変更
- 業務用PC交換
- ネットワーク機器の作業
- システム設定変更
- 作業後の動作確認
- ITインフラの現地確認
- 新人スタッフへの教育
など、さまざまなものがあります。
そして、作業そのものだけではなく、
現地ホテルとの調整
ゲストへの案内
作業時間の調整
作業後の動作確認
なども重要な仕事です。
ホテルは24時間動いています。
だからこそ、ホテル情シスには「止められないIT」を支える役割があります。
観光地への出張でも、夜間作業。
なかなか観光できないのがホテル情シスの宿命かもしれません。
それでも、作業が終わってホテルのIT環境が問題なく動いているのを見ると、
「無事に終わってよかった」
と思える。
それもホテル情シスの仕事の一つです。


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